LightGBMを使ったら何ができるの?エンジニア1年目が業務での使い道を調べてみた!

AI関係

はじめに

機械学習の分野で注目を集めるLightGBMは、大規模データセットや高次元データに対する優れた性能を発揮する勾配ブースティングフレームワークです。その効率的な学習能力と高い予測性能が、様々な業界での活用を可能にしています。

では、IT(エンジニア)の業務ではどのように活用できるのでしょうか?

この記事では、LightGBMがITのどんな業務に使えるかに焦点を当て、その利点や具体的な応用例について紹介します。

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LightGBMの主なIT業務活用例

ここからはLightGBMのIT業務への活用例を10個紹介します。

セキュリティログの解析

セキュリティログは多くの情報を含んでいますが、その中から異常な活動を検出するためにLightGBMを使用できます。過去のログなどを学習することで、不正アクセスやサイバー攻撃の予兆を検知し、セキュリティを向上させます。

IT業界では特にセキュリティに対する意識は敏感で、セキュリティインシデントがあれば早期の対応が望まれます。

サーバーメンテナンスの最適化

業務中にサーバーが障害を起こすと大事態です。そんな事態を防ぐためにも、サーバーのメンテナンスは定期的に行われます。

サーバーのメンテナンス計画を最適化するために、LightGBMを用いてサーバーの障害予測モデルを構築すれば、予防的なメンテナンスが可能となり、障害による停止時間を最小限に抑えることができます。

インシデント管理

顧客にシステムあるいはサービスを提供していれば運用・保守・維持業務は必須です。これらの業務に携わる限り、インシデントへの対応は避けることはできません。

インシデントとは具体的には、サービスやシステムの異常からマルウェアへの感染、不正アクセス、サイバー攻撃と多岐にわたります。

そんなインシデント管理の分野では、インシデントに即座に対処するために、LightGBMでインシデントの発生を予測するモデルを構築することで、障害への対応が迅速かつ効果的に行えるようになります。

ソフトウェア品質管理

ソフトウェアの開発のテストは品質を担保するためにも重要な工程です。しかし、隅々までテストしようとするとテストケースは膨大になり、コストも時間もかかってしまいます。

そのため、ソフトウェアテストにおいて、LightGBMを用いてバグの発生確率や影響度を予測できれば、テストケースの優先順位付けして、必要最低限のテストケースを作成でき、テスト効率が向上します。

ネットワークのパフォーマンス最適化

ITではネットワークはあらゆるサービス、システムの基盤です。ネットワークの効率が悪ければ、障害が起きたり、動作が円滑に進まなかったりと影響は甚大です。このような事態はなるべく避けなければなりません。

LightGBMを用いてネットワークのトラフィックパターンや負荷の予測モデルを構築すれば、ネットワークの最適化もできて、スケールアウトやスケールインなどのスケーリングもスムーズにできるでしょう。

ユーザーサポートの自動化

ユーザーサポートの自動化とはChatBotによる質問への自動応答などのことです。LightGBMは自然言語処理にも対応しており、多クラス分類モデルを作成することで、質問を自動的に分類し、最適な回答を自動に選択肢させることができます。

ユーザーサポートの自動化でITヘルプデスクでのユーザーサポート、ユーザーからの問い合わせに対して、自動的に適切な対応をできるため、人件費の削減や労力の削減に役立ちます。

データベース管理

データベース管理システムに対する処理要求をクエリと言い、クエリはデータ抽出や更新などの処理要求を文字列であらわされます。システムやサービスで使用されるデータは基本的に大規模です。大規模データではクエリの内容、実行順序次第で処理速度が大きく異なります。

そのため、LightGBMでクエリの実行計画の最適化や負荷分散の予測を行えば、パフォーマンスを向上させることができます。

IT資産管理

IT資産とは具体的には社給端末(PC、スマホなど)、サーバーやネットワーク機器など企業活動を行う際に使用するIT機器のことです。

IT資産管理とは、ライセンス(SaaSやクラウドサービス)などの更新期限の管理やIT端末のOS・ウイルス定義ファイルのアップデート、IT資産のライフサイクルなど企業のIT資産の全てを管理することです。

LightGBMで過去の利用履歴やメンテナンスデータなどを学習し、IT資産の管理を最適化するモデルを構築し自動化すれば、コスト削減や情報セキュリティを強化することができ、IT投資への費用対効果を向上できます。

クラウドリソースの最適利用

近年、クラウド技術の発展はめざましく、クラウドを導入する企業も続々と増えています。メジャーなクラウドサービスの例として、AWS、Azure、GCPが挙げられます。クラウドを利用すれば、オンプレ環境よりも運用コストの削減でき、セキュリティがより強固になるなどの恩恵を得ることができます。

クラウドを利用するメリットは多いですが、クラウドリソースを適切に利用しないと、かえってオンプレ環境よりもコスト高になってしまうこともあります。

これを防ぐためにも、LightGBMがクラウドリソースの利用状況を予測することで、コスト効率の高いリソースの割り当てを行うことができます。これにより、クラウドにかかるコストを最適化することができます。

インフラの設計と最適化

インフラは全てのシステム、サービスの基盤です。インフラの設計の良し悪しがシステム、サービスの品質に大きく関わります。

そこで新しいシステムやサービスの設計する際に、LightGBMで要件から最適なインフラ設計を提案するモデルを作成すれば、将来の拡張や変更にも柔軟に対応できます。

LightGBMを使用する利点

  • 学習速度が速く、メモリ効率がよい

LightGBMは特徴量をヒストグラム化することで、大規模データでも高速に学習することができます。また、メモリの使用効率を重視したモデルであるため、メモリの制約を緩和できます。時間効率、コストパフォーマンスが重視されるビジネスの場では有用な手段です。

  • 高い予測性能

LightGBMは他の勾配ブースティング(XGBoostなど)よりも高速である上に、予測性能はこれらと同程度以上を期待できます。高い予測性能は結果の信頼性の高さを意味し、ビジネス上の意思決定においては重要な要素です。

  • モデルの可読性が高い              

LightGBMは、特徴量の重要度を明示的に計算できるため、モデルの可解性が高いです。ビジネスでは、なぜその予測結果なのかという根拠の説明が必要不可欠です。その面でも、どの特徴量が予測に寄与しているのかを理解しやすいLightGBMはビジネスとの相性はとても良いです。

他にも様々な利点がありますが、一方で過学習しやすいというデメリットもあります。そのため適切なパラメータチューニングも必要です。

まとめ

LightGBMはログの解析やインシデント管理、ユーザーサポートの自動化、様々なリソースやパフォーマンスの最適化などに利用できます。筆者は現在AIを利用して開発を行う部署で働いており、先輩に勧められたLightGBMの本を読んでこの記事の執筆に至りました。

現在AIといえば生成AIが目まぐるしく発展し、世界中が注目しているなか、機械学習やディープラーニングの影が少し薄くなっている気もします(自分だけが思ってるだけかも)。

AIの最先端を追いかけるのも重要ですが、LightGBMなどの機械学習や強化学習、深層学習の基礎も同時に学ぶことでより面白さを感じられると思います。

これからも少しづつ学んだことを発信していきますので、皆さんもぜひ様々な手法を勉強してみてはいかがでしょうか!勉強する中で新たな気づきがあるかもしれませんよ!

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